楽園の炎

「そ、そんな。滅相もございません。わたくしなど・・・・・・」

「? だって、あたしも見惚れるほどだもの。東方の衣装はあたしたちには珍しいし、それを纏ったオリエント美人なんて、初めてだもの」

朱夏の感想に、苺鈴はひたすら恐縮する。
夕星が、ばんと傍の葵の背を叩いて笑った。

「苺鈴は仕事柄、下心なしに褒められるってことに、慣れてないのさ」

「下心?」

きょとんとする朱夏に、夕星はにやりとし、そんな夕星を、葵はじろりと睨んだ。
男女のことに疎い朱夏は、当然の如く苺鈴のような役割は、思いもつかない。
これ以上夕星が余計なことを言わないうちに、というように、葵は商品の説明を苺鈴に求めた。

「ふふ・・・・・・。何だかんだ言っても、やっぱり葵王も苺鈴を気に入ってるんじゃないか」

商品を見る葵と、説明する苺鈴を眺め、相変わらずにやにやしている夕星が、ぼそりと呟いた。

「そうなの? でも確かに、綺麗な人だね。葵が心奪われるのも、わかるわ」

「そうか? 珍しいだけだろ?」

朱夏も葵も目を奪われるほどの魅力なのに、夕星は特に興味もないようだ。

---ま、ユウが心奪われちゃったら困るけどさ---

ひっそりと思い、朱夏はそっと、夕星の手を取った。