楽園の炎

「いやぁ・・・・・・。あのアシェン様が、女子と一緒に散歩するとは・・・・・・。侍女殿ということは、別に護衛、というわけでもないのですよね?」

「ええ。あ、ここ数日、アシェン様はアルの面倒を見てくれておりましたから、仲良くなったのかもしれませんね」

「はぁ。アシェン様が、面倒を・・・・・・。いや、それは朱夏姫様のご命令とあれば、面倒ぐらいは見るでしょうが。このように、仲良く散歩をするとは・・・・・・」

信じられぬ、というように、兵士はしきりに頭を振る。
アシェンの堅物っぷりは、相当有名のようだ。

「何だ? 何かあったのか?」

いきなり耳元で尋ねられ、朱夏は飛び上がった。
振り向くと、夕星が立っている。
少し後ろに、葵も手を押さえて立っていた。

「あ、勝負あり? 葵、どうしたの?」

朱夏は葵に駆け寄り、手を取って見てみた。
赤くなっているが、特に怪我などはしていない。

「う~ん、こっちが根を上げるまで、夕星様は剣を納めないんだもの。すっかり痺れてしまった」

「受けるだけで、攻撃しないからだ。受けるだけでも、ずっとだったらキツイだろ。限界が来るまでに、自分から捌かないと、そうなるぜ」

剣でとんとんと肩を叩きながら、夕星が言う。