楽園の炎

広場を覗くと、案の定、朱夏が一人の兵士と、剣を合わせていた。

「やっぱりね」

「お見事。・・・・・・だが、何やってるんだよ、こんなところまで来て」

夕星が、呆れたように朱夏に言う。
その場にいた兵士が、夕星に向かって膝を付いた。

「だって、ナスル様はお散歩の後、寝ちゃうしさ。ユウたちもいないし」

「・・・・・・ナスル、寝てたのかよ。寝起きだから、機嫌が悪かったのかな」

ぶつぶつ呟く夕星に、葵が肩を震わせた。

「朱夏、やっぱりずっと大人しくは、してられないんだね」

「何とまぁ、お強い妃をお迎えになられたのか。素晴らしい腕ですな」

くすくす笑う葵に、傍の兵士も笑いながら口を挟む。
先程朱夏の相手をしていた兵士だ。

「混ぜて欲しいと仰られたときは驚きましたが、なるほど、納得ですな。この腕前では、その辺の者では太刀打ちできませぬ」

「これぐらいお強いと、夕星様も安心ですな」

口々に言う兵士に、夕星は、まぁな、と頷き、葵を見た。