「・・・・・・凄い」
思わず朱夏は、目の前の景色に、自然と呟いていた。
宮殿内からも町の様子や海は一望できたが、ここからの比ではない。
元々高台にある宮殿の、さらに塔の上なのだ。
遮るものもない分、周り全体が完全に開けた、大パノラマだ。
海も、宮殿からよりもよく見える。
「良い眺めでしょう? わたくし、ここが大好きなの。ほら、あれが、わたくしたちの乗る船よ」
ナスル姫の指差すほうを見れば、宮殿前の坂道から見たときよりもはっきりと、船が見える。
「大きいですねぇ」
葵は昔、ククルカン皇帝に船に乗せてもらったことがあるが、朱夏は船はおろか、海も知らないのだ。
あんな大きなものに人が何人も乗って、沈まないのだろうか。
「ん~、わたくしが来るときは皆一緒に一艘で来たのだけど、今回は兄上の軍もいるからね。三艘・・・・・・? あ、五艘かしらね」
港に停泊している船を数えながら、ナスル姫が言う。
そしてぽかんとしている朱夏に向き直ると、目を輝かせた。
「ね、明日は海に遊びに行きましょうよ。朱夏、海初めてでしょう? 泳ぐことはできないけど、綺麗な貝殻とかが、いっぱいあるのよ」
「はぁ・・・・・・」
海産物に接する機会のなかった朱夏には、何のことやらさっぱりだ。
貝殻というものだって、漠然と知っているだけで、それが何なのかとか、どこで採れるものなのかとか、さっぱり知らないのだ。
曖昧に返事をする朱夏だが、ナスル姫は特に気にする風もなく、あちらこちらを指差してはしゃいでいる。
思わず朱夏は、目の前の景色に、自然と呟いていた。
宮殿内からも町の様子や海は一望できたが、ここからの比ではない。
元々高台にある宮殿の、さらに塔の上なのだ。
遮るものもない分、周り全体が完全に開けた、大パノラマだ。
海も、宮殿からよりもよく見える。
「良い眺めでしょう? わたくし、ここが大好きなの。ほら、あれが、わたくしたちの乗る船よ」
ナスル姫の指差すほうを見れば、宮殿前の坂道から見たときよりもはっきりと、船が見える。
「大きいですねぇ」
葵は昔、ククルカン皇帝に船に乗せてもらったことがあるが、朱夏は船はおろか、海も知らないのだ。
あんな大きなものに人が何人も乗って、沈まないのだろうか。
「ん~、わたくしが来るときは皆一緒に一艘で来たのだけど、今回は兄上の軍もいるからね。三艘・・・・・・? あ、五艘かしらね」
港に停泊している船を数えながら、ナスル姫が言う。
そしてぽかんとしている朱夏に向き直ると、目を輝かせた。
「ね、明日は海に遊びに行きましょうよ。朱夏、海初めてでしょう? 泳ぐことはできないけど、綺麗な貝殻とかが、いっぱいあるのよ」
「はぁ・・・・・・」
海産物に接する機会のなかった朱夏には、何のことやらさっぱりだ。
貝殻というものだって、漠然と知っているだけで、それが何なのかとか、どこで採れるものなのかとか、さっぱり知らないのだ。
曖昧に返事をする朱夏だが、ナスル姫は特に気にする風もなく、あちらこちらを指差してはしゃいでいる。


