んしょ、とナスル姫は、勢いを付けて梯子をよじ登った。
「そしたら、すぐにお兄様は、わかるように出てきてくれるの。う~ん、わたくし、考えてみれば、かなりお兄様にべったりだったわ。遊んでないときでも、いっつもお兄様を捜してたし」
「そういえば、ナスルはいつも必死で俺を捜してたって、ユウも言ってた」
あら、と梯子の上から、ナスル姫が朱夏を見下ろした。
朱夏も、梯子に手をかける。
「・・・・・・ところで、ここは?」
今更な気もするが、ナスル姫の後について梯子を登りながら、朱夏が言った。
ナスル姫のさらに上は、暗くてよく見えない。
だが、そう長くはなさそうだ。
「宮殿の、南の端。鐘の塔への近道よ」
質問に答えながら、ナスル姫は手を伸ばして、頭上の壁を押した。
ぎぃ、という鈍い音と共に、光が差し込む。
朱夏が眩しさに片手で目を覆っているうちに、ナスル姫は残りの梯子を上がって、光の中に消えた。
そして、すぐに顔を覗かせる。
「ほら、早く」
急かされて、朱夏も梯子を駆け上がった。
「これは・・・・・・」
光の中に顔を出せば、目の前には大きな鐘がいくつも連なっているのが目に入る。
鐘の下に空いた穴から出てきたようだ。
穴から這い出すと、眼下に広がる青い海から吹き付ける潮風が、身体を嬲った。
「そしたら、すぐにお兄様は、わかるように出てきてくれるの。う~ん、わたくし、考えてみれば、かなりお兄様にべったりだったわ。遊んでないときでも、いっつもお兄様を捜してたし」
「そういえば、ナスルはいつも必死で俺を捜してたって、ユウも言ってた」
あら、と梯子の上から、ナスル姫が朱夏を見下ろした。
朱夏も、梯子に手をかける。
「・・・・・・ところで、ここは?」
今更な気もするが、ナスル姫の後について梯子を登りながら、朱夏が言った。
ナスル姫のさらに上は、暗くてよく見えない。
だが、そう長くはなさそうだ。
「宮殿の、南の端。鐘の塔への近道よ」
質問に答えながら、ナスル姫は手を伸ばして、頭上の壁を押した。
ぎぃ、という鈍い音と共に、光が差し込む。
朱夏が眩しさに片手で目を覆っているうちに、ナスル姫は残りの梯子を上がって、光の中に消えた。
そして、すぐに顔を覗かせる。
「ほら、早く」
急かされて、朱夏も梯子を駆け上がった。
「これは・・・・・・」
光の中に顔を出せば、目の前には大きな鐘がいくつも連なっているのが目に入る。
鐘の下に空いた穴から出てきたようだ。
穴から這い出すと、眼下に広がる青い海から吹き付ける潮風が、身体を嬲った。


