夕餉を皆で取り、それぞれ部屋にさがろうとすると、ナスル姫が、つ、と朱夏の傍に来た。
「ね、わたくし、朱夏と同じお部屋がいい」
「へ?」
いきなりなことに、素っ頓狂な声を上げて、朱夏は自分の腕に取り付くナスル姫を見た。
「だって、朱夏はもう、わたくしのお姉さんでしょ?」
朱夏は曖昧に微笑んだ。
憂杏と違って、朱夏と夕星の結婚は、そう障害はない。
身分も元々そんなかけ離れているわけではないし、敵国同士なわけでもない。
皇帝陛下も、特に反対もしないだろう。
だがいまだに、朱夏はククルカン皇帝が義理とはいえ父親になり、皇太子やナスル姫が家族になる、ということに、実感が湧かない。
「そう・・・・・・かもしれませんが、う~ん、わたくしには今まで、兄弟もおりませんでしたので、な、何だか全然実感がないのですが」
ぽりぽりと頭を掻き、照れくさそうに言う朱夏をじっと見、ナスル姫は、ぴっと指を立てた。
「朱夏、敬語禁止! わたくしのことも、『ナスル姫様』じゃなくて、呼び捨てになさい」
「そ、そんな」
いきなり無謀な要求を突きつける。
さらにナスル姫は、立てた指を左右に振って言う。
「何度も言うけど、朱夏はククルカン皇子で宰相のお妃様。わたくしはただの商人なのよ。お兄様がめでたくコアトル知事になっても、やっぱり身分はずっと朱夏のほうが上なの。てことで、今後敬語禁止!」
「が、頑張ります・・・・・・」
「で、ね。一緒に寝ても、いいでしょう?」
明るく笑って飛びつくナスル姫に、朱夏は頷いた。
が、夕星が顔を引き攣らせる。
「おい。ということは、もしかして俺に、憂杏と寝ろってことか?」
え? というように、朱夏とナスル姫が振り向く。
そして、ぶは、と吹き出した。
「いいじゃない。仲良く寝たら?」
「あらでも。憂杏を取らないでくださいね」
好き勝手なことを言う二人を、夕星はうんざりとした目で見つめた。
「ね、わたくし、朱夏と同じお部屋がいい」
「へ?」
いきなりなことに、素っ頓狂な声を上げて、朱夏は自分の腕に取り付くナスル姫を見た。
「だって、朱夏はもう、わたくしのお姉さんでしょ?」
朱夏は曖昧に微笑んだ。
憂杏と違って、朱夏と夕星の結婚は、そう障害はない。
身分も元々そんなかけ離れているわけではないし、敵国同士なわけでもない。
皇帝陛下も、特に反対もしないだろう。
だがいまだに、朱夏はククルカン皇帝が義理とはいえ父親になり、皇太子やナスル姫が家族になる、ということに、実感が湧かない。
「そう・・・・・・かもしれませんが、う~ん、わたくしには今まで、兄弟もおりませんでしたので、な、何だか全然実感がないのですが」
ぽりぽりと頭を掻き、照れくさそうに言う朱夏をじっと見、ナスル姫は、ぴっと指を立てた。
「朱夏、敬語禁止! わたくしのことも、『ナスル姫様』じゃなくて、呼び捨てになさい」
「そ、そんな」
いきなり無謀な要求を突きつける。
さらにナスル姫は、立てた指を左右に振って言う。
「何度も言うけど、朱夏はククルカン皇子で宰相のお妃様。わたくしはただの商人なのよ。お兄様がめでたくコアトル知事になっても、やっぱり身分はずっと朱夏のほうが上なの。てことで、今後敬語禁止!」
「が、頑張ります・・・・・・」
「で、ね。一緒に寝ても、いいでしょう?」
明るく笑って飛びつくナスル姫に、朱夏は頷いた。
が、夕星が顔を引き攣らせる。
「おい。ということは、もしかして俺に、憂杏と寝ろってことか?」
え? というように、朱夏とナスル姫が振り向く。
そして、ぶは、と吹き出した。
「いいじゃない。仲良く寝たら?」
「あらでも。憂杏を取らないでくださいね」
好き勝手なことを言う二人を、夕星はうんざりとした目で見つめた。


