一瞬ぽかんとした後、朱夏は憂杏と同じように、けほけほと咳をした。
しきりに照れる憂杏と朱夏にも気づかず、正妃は憂杏を見た。
「憂杏さんは、商人のわりには王族慣れしておりますわね。お母上が、炎駒殿付きだからですか? 炎駒殿といえば、アルファルド王の一の側近であられるおかたですもの。自然、王族とも接する機会はあるでしょう」
憂杏は、ちょっと首を傾げた。
「そう・・・・・・ですね。母のお陰でしょうな。母が王宮勤めだったもので、私も昔は王宮で育ちました。今は見る影もありませぬが、炎駒様について、それなりにきちんとした学問を勉強させていただきました。葵・・・・・・葵王が産まれてからは、しばし教育係のような役目もしておりましたから」
「まぁ・・・・・・。優秀でいらしたのね」
感心する正妃に、いやいや、と憂杏は謙遜する。
だが実際、優秀だから世継ぎの王子の教育係に抜擢されたのだ。
いくら力ある炎駒について勉強していても、全くできない者を任命するほど、王も炎駒も甘くない。
「では葵王様は、お勉強は憂杏さんに、武芸は朱夏姫様に教わったということかしら。あら、普通は反対ですわね」
ころころと笑う正妃に、朱夏は微妙な顔になった。
葵が慌ててフォローを入れる。
「あ、ゆ、憂杏も、別に勉強という勉強を教えてくれたわけではないんですよ。もっと普通の・・・・・・礼儀やマナー、あとそれこそ民のこととか・・・・・・。知ってる国の情勢とか」
フォローといっても、憂杏はナスル姫の婚約者なので、変に評判を落とすわけにもいかない。
勝手に町に連れ出してみたり、それこそ市をうろついてみたりといったことは喋れないと思ったのだろう、大してフォローになっていない。
もっとも朱夏も、悪戯では憂杏など及びもつかないぐらいなので、朱夏の評価を上げるのも難しいのだが。
「素晴らしいことじゃないですか。机上のお勉強だけでなく、実際の経験をお教えするほうが、よっぽど良い勉強になりますわ」
結局憂杏の株が、急上昇しただけだった。
しきりに照れる憂杏と朱夏にも気づかず、正妃は憂杏を見た。
「憂杏さんは、商人のわりには王族慣れしておりますわね。お母上が、炎駒殿付きだからですか? 炎駒殿といえば、アルファルド王の一の側近であられるおかたですもの。自然、王族とも接する機会はあるでしょう」
憂杏は、ちょっと首を傾げた。
「そう・・・・・・ですね。母のお陰でしょうな。母が王宮勤めだったもので、私も昔は王宮で育ちました。今は見る影もありませぬが、炎駒様について、それなりにきちんとした学問を勉強させていただきました。葵・・・・・・葵王が産まれてからは、しばし教育係のような役目もしておりましたから」
「まぁ・・・・・・。優秀でいらしたのね」
感心する正妃に、いやいや、と憂杏は謙遜する。
だが実際、優秀だから世継ぎの王子の教育係に抜擢されたのだ。
いくら力ある炎駒について勉強していても、全くできない者を任命するほど、王も炎駒も甘くない。
「では葵王様は、お勉強は憂杏さんに、武芸は朱夏姫様に教わったということかしら。あら、普通は反対ですわね」
ころころと笑う正妃に、朱夏は微妙な顔になった。
葵が慌ててフォローを入れる。
「あ、ゆ、憂杏も、別に勉強という勉強を教えてくれたわけではないんですよ。もっと普通の・・・・・・礼儀やマナー、あとそれこそ民のこととか・・・・・・。知ってる国の情勢とか」
フォローといっても、憂杏はナスル姫の婚約者なので、変に評判を落とすわけにもいかない。
勝手に町に連れ出してみたり、それこそ市をうろついてみたりといったことは喋れないと思ったのだろう、大してフォローになっていない。
もっとも朱夏も、悪戯では憂杏など及びもつかないぐらいなので、朱夏の評価を上げるのも難しいのだが。
「素晴らしいことじゃないですか。机上のお勉強だけでなく、実際の経験をお教えするほうが、よっぽど良い勉強になりますわ」
結局憂杏の株が、急上昇しただけだった。


