ククルカン皇家から出すには、程良い年頃の者など、限られている。
現皇帝には、皇子三人に皇女二人。
長女は他国の王に嫁いでいるし、長男は次期皇帝である。
現皇帝には、この知事しか兄弟はないため、他に血縁はいない。
コアトルのような大事な土地の知事には、ククルカンの首都と密接な繋がりがないといけないため、代々皇帝の信頼篤い人物が務めてきた。
そのため、アリンダは論外なのだ。
だが、夕星は皇太子の右腕である。
信頼という点では、もっとも適任だが、夕星に変わる程の人物が首都にいるのかという点では疑問だ。
簡単には手放せない。
「夕星様は、お小さい頃から聡明でいらしたので、将来は皇太子様を立派に支えられるだろうと思っておりました。だからこそ、妹君のナスル様を我々の養子にいただきたかったのですが・・・・・・。まぁ・・・・・・まだ幼いナスル様を、いくら懐いてくださっているとはいえ、家族の元から引き離すのは心苦しかったので、我々も躊躇してはいたのですが」
「でも叔父上。俺にもよく、知事にならぬか、と仰っていたではありませんか」
夕星の言葉に、知事は、ははは、と笑った。
「ええ。思った通り夕星様は、ご自分の隊も上手くまとめられるし、皇太子様のお手伝いも、つつがなくこなしておられるようでしたので、きっとこのコアトルも、上手く治めてゆけるだろうと踏んだのですよ。しかも、お一人でよくこちらまで見えられましたから。首都に留まって、宮廷の内務などに忙殺されるお人ではないだろうと」
「一人でこんなところまで来ていたのか。全く、目を離すと、どこに飛んでいくか、わかったものではないな」
じろりと皇太子が、横の夕星を睨む。
夕星は素知らぬ顔で、肩を竦めた。
「夕星様が宰相となり、ナスル様も商人とご結婚となれば、最早残るはアリンダ様のみ・・・・・・。ですが、あのかたにこの町の統治など、失礼ながら、とてもできるとは思えませぬ。そればかりか、豊かな外交を利用し、皇太子様に刃向かうことも考えられます」
現皇帝には、皇子三人に皇女二人。
長女は他国の王に嫁いでいるし、長男は次期皇帝である。
現皇帝には、この知事しか兄弟はないため、他に血縁はいない。
コアトルのような大事な土地の知事には、ククルカンの首都と密接な繋がりがないといけないため、代々皇帝の信頼篤い人物が務めてきた。
そのため、アリンダは論外なのだ。
だが、夕星は皇太子の右腕である。
信頼という点では、もっとも適任だが、夕星に変わる程の人物が首都にいるのかという点では疑問だ。
簡単には手放せない。
「夕星様は、お小さい頃から聡明でいらしたので、将来は皇太子様を立派に支えられるだろうと思っておりました。だからこそ、妹君のナスル様を我々の養子にいただきたかったのですが・・・・・・。まぁ・・・・・・まだ幼いナスル様を、いくら懐いてくださっているとはいえ、家族の元から引き離すのは心苦しかったので、我々も躊躇してはいたのですが」
「でも叔父上。俺にもよく、知事にならぬか、と仰っていたではありませんか」
夕星の言葉に、知事は、ははは、と笑った。
「ええ。思った通り夕星様は、ご自分の隊も上手くまとめられるし、皇太子様のお手伝いも、つつがなくこなしておられるようでしたので、きっとこのコアトルも、上手く治めてゆけるだろうと踏んだのですよ。しかも、お一人でよくこちらまで見えられましたから。首都に留まって、宮廷の内務などに忙殺されるお人ではないだろうと」
「一人でこんなところまで来ていたのか。全く、目を離すと、どこに飛んでいくか、わかったものではないな」
じろりと皇太子が、横の夕星を睨む。
夕星は素知らぬ顔で、肩を竦めた。
「夕星様が宰相となり、ナスル様も商人とご結婚となれば、最早残るはアリンダ様のみ・・・・・・。ですが、あのかたにこの町の統治など、失礼ながら、とてもできるとは思えませぬ。そればかりか、豊かな外交を利用し、皇太子様に刃向かうことも考えられます」


