「わわっ? え、ちょっと」
「あ、前向きで大丈夫なのか。たまに、前を向いて乗るのが怖いって奴もいるんだけど」
至近距離で笑いかけられ、朱夏は慌てた。
馬の二人乗りなど、小さいときに葵としたぐらいだ。
しかもそのときは、葵が怖がるので、葵の後ろに乗った朱夏が、後ろから手綱を操っていたものだ。
それ以外では、本当に馬に乗るのを教わるときに、憂杏に乗せてもらったぐらいしかない。
それに、唯一朱夏がまだ馬に乗れなかったぐらい小さいときに、憂杏に乗せてもらっていたときでさえ、今と同じく馬首と憂杏に挟まれるかたちであったが、前を向いていた。
今は後ろ向き。
このままでは、持つところは、ユウの身体のどこかしかない。
「ま、いいか。ほら、遠慮しないで掴まらないと、危ないぜ」
言うが早いか、ユウは馬の腹を蹴って、走らせた。
いきなり走り出した馬に、朱夏はユウの胸に顔をぶち当てる。
離れようにも、どこも持つところがないまま離れるのは、自殺行為だ。
すでに馬は、結構な速さで疾走している。
---ど、どうしよう---
知らず早くなる鼓動を感じながら、朱夏は、ユウの胸に引っ付いてしまった頬を離すこともできずに、身体を硬くしていた。
「あ、前向きで大丈夫なのか。たまに、前を向いて乗るのが怖いって奴もいるんだけど」
至近距離で笑いかけられ、朱夏は慌てた。
馬の二人乗りなど、小さいときに葵としたぐらいだ。
しかもそのときは、葵が怖がるので、葵の後ろに乗った朱夏が、後ろから手綱を操っていたものだ。
それ以外では、本当に馬に乗るのを教わるときに、憂杏に乗せてもらったぐらいしかない。
それに、唯一朱夏がまだ馬に乗れなかったぐらい小さいときに、憂杏に乗せてもらっていたときでさえ、今と同じく馬首と憂杏に挟まれるかたちであったが、前を向いていた。
今は後ろ向き。
このままでは、持つところは、ユウの身体のどこかしかない。
「ま、いいか。ほら、遠慮しないで掴まらないと、危ないぜ」
言うが早いか、ユウは馬の腹を蹴って、走らせた。
いきなり走り出した馬に、朱夏はユウの胸に顔をぶち当てる。
離れようにも、どこも持つところがないまま離れるのは、自殺行為だ。
すでに馬は、結構な速さで疾走している。
---ど、どうしよう---
知らず早くなる鼓動を感じながら、朱夏は、ユウの胸に引っ付いてしまった頬を離すこともできずに、身体を硬くしていた。


