「た、高いわ」
小さなナスル姫は、精一杯足を上げて、やっと鐙に爪先がかかる程度だ。
憂杏は少し笑い、身を乗り出して、姫を抱き上げた。
「お姫さんは、どっち向きがいいのかな。そのままだと、危ないぜ」
自分の前に横向きに降ろし、憂杏は姫が動きやすいように、少し身体を離した。
が、すぐにぴたりと、ナスル姫が寄り添ってくる。
「高い~・・・・・・」
どでかい軍馬の上は、前の運搬用の馬とは比べものにならない程の高さだ。
憂杏の胸にくっつくナスル姫は、小さく震えている。
「まぁなぁ。けど、その分見晴らしも良いぜ。前向いて乗ったほうが、面白いかもよ」
言いながら再び姫を抱き上げ、前を向かそうとする。
だが、ナスル姫の手は、憂杏の衣を握りしめたまま、離れない。
やがてナスル姫は、おずおずと前を見、ちょっと手を離して、両手を馬の首に添えてみた。
「こ、ここしか持つとこ、ないの?」
「う~ん、まぁそうだが。よいしょっと」
ナスル姫に前を向かせ、姫が怯える前に、自分も前に詰める。
馬首と己の間を詰めた上で、姫を抱くように後ろから手綱を取った。
ナスル姫は、憂杏の腕の中に、すっぽりと納まった。
後ろから見たら、憂杏一人に見えるだろう。
小さなナスル姫は、精一杯足を上げて、やっと鐙に爪先がかかる程度だ。
憂杏は少し笑い、身を乗り出して、姫を抱き上げた。
「お姫さんは、どっち向きがいいのかな。そのままだと、危ないぜ」
自分の前に横向きに降ろし、憂杏は姫が動きやすいように、少し身体を離した。
が、すぐにぴたりと、ナスル姫が寄り添ってくる。
「高い~・・・・・・」
どでかい軍馬の上は、前の運搬用の馬とは比べものにならない程の高さだ。
憂杏の胸にくっつくナスル姫は、小さく震えている。
「まぁなぁ。けど、その分見晴らしも良いぜ。前向いて乗ったほうが、面白いかもよ」
言いながら再び姫を抱き上げ、前を向かそうとする。
だが、ナスル姫の手は、憂杏の衣を握りしめたまま、離れない。
やがてナスル姫は、おずおずと前を見、ちょっと手を離して、両手を馬の首に添えてみた。
「こ、ここしか持つとこ、ないの?」
「う~ん、まぁそうだが。よいしょっと」
ナスル姫に前を向かせ、姫が怯える前に、自分も前に詰める。
馬首と己の間を詰めた上で、姫を抱くように後ろから手綱を取った。
ナスル姫は、憂杏の腕の中に、すっぽりと納まった。
後ろから見たら、憂杏一人に見えるだろう。


