しゅん、と俯くナスル姫の頭を撫でながら、皇太子が優しく言う。
「でもね、だからといって、お前の気持ちを踏みにじるようなことはせぬよ。そこでだ、憂杏殿」
皇太子が、憂杏を見た。
「そなたは、まことナスルを妻として、生涯愛すると誓えるか?」
「・・・・・・はい。本来なら、許されぬことではありましょうが」
真っ直ぐに皇太子の目を見て言った後、憂杏は頭を下げた。
皇太子は軽く頷き、言葉を続ける。
「よろしい。では、一つ提案だ。しばしナスルを、そなたに預ける。姫としてではなく、正式に、そなたの婚約者としてな。その間、市井の生活をさせてみてくれ。遠慮はいらぬ。何でもさせてみた上で、大丈夫そうなら、結婚を認めよう」
ナスル姫が、勢い良く皇太子を見上げた。
「兄上! わたくし、頑張りますわっ!」
喜色を浮かべるナスル姫に、朱夏も安堵のため息をついた。
皇太子はそんなナスル姫に、優しい目を向ける。
「ああ。でも、お前もよく考えるんだ。自分の身体のことも、無理だと思ったら、残念だが諦めることになるかもしれぬぞ」
「注意します。わたくしも、憂杏に迷惑はかけられませんもの」
嬉しそうに、だが少し真剣な表情で、ナスル姫は笑った。
「言っておくが、憂杏がお前に愛想を尽かすかもしれないんだぞ? そっちの可能性も、ゼロではないんだからな」
意地悪く言う夕星に、ナスル姫は唇を尖らせる。
朱夏が夕星の足を、テーブルの下で、ぎゅっと踏みつけた。
「でもね、だからといって、お前の気持ちを踏みにじるようなことはせぬよ。そこでだ、憂杏殿」
皇太子が、憂杏を見た。
「そなたは、まことナスルを妻として、生涯愛すると誓えるか?」
「・・・・・・はい。本来なら、許されぬことではありましょうが」
真っ直ぐに皇太子の目を見て言った後、憂杏は頭を下げた。
皇太子は軽く頷き、言葉を続ける。
「よろしい。では、一つ提案だ。しばしナスルを、そなたに預ける。姫としてではなく、正式に、そなたの婚約者としてな。その間、市井の生活をさせてみてくれ。遠慮はいらぬ。何でもさせてみた上で、大丈夫そうなら、結婚を認めよう」
ナスル姫が、勢い良く皇太子を見上げた。
「兄上! わたくし、頑張りますわっ!」
喜色を浮かべるナスル姫に、朱夏も安堵のため息をついた。
皇太子はそんなナスル姫に、優しい目を向ける。
「ああ。でも、お前もよく考えるんだ。自分の身体のことも、無理だと思ったら、残念だが諦めることになるかもしれぬぞ」
「注意します。わたくしも、憂杏に迷惑はかけられませんもの」
嬉しそうに、だが少し真剣な表情で、ナスル姫は笑った。
「言っておくが、憂杏がお前に愛想を尽かすかもしれないんだぞ? そっちの可能性も、ゼロではないんだからな」
意地悪く言う夕星に、ナスル姫は唇を尖らせる。
朱夏が夕星の足を、テーブルの下で、ぎゅっと踏みつけた。


