涙を浮かべて、ナスル姫は訴える。
最早周りの人間など、見えていない。
皇太子も、じっと二人の様子を見守った。
「お姫さんの気持ちは嬉しいよ。でもな、それこそユウと違って、お姫さんは、まだ若いじゃねぇか。俺よりいい男なんて、世の中にはごまんといるんだぜ。その辺が、まだわかってねぇだろう?」
「馬鹿っ!!」
いきなりナスル姫が、憂杏の頬に平手をお見舞いした。
ぱしっと乾いた音がし、憂杏が驚いたような顔をする。
事の成り行きを見守っていた三人も、呆気に取られてナスル姫を見た。
「どんだけ自分に自信がないのよ! 歳の開きが、そんなに気になるの? 確かにわたくしなんて、憂杏から見たらお子様かもしれないけど、立場的に、それこそそれなりの殿方とも、お会いしてきましたのよ! その最たるかたが、葵王様なんじゃない! 世の乙女の理想を具現化したような葵王様と、れっきとしたお見合いをしにきたにも関わらず、わたくしはあなたに惹かれたのよ! それがどういうことか、わかってるの?」
「・・・・・・お前の趣味が、変だったってことだな」
前方から夕星が、ぼそりと呟いた。
ナスル姫は、涙の溜まった瞳でじろりと夕星を睨んだが、意外にもこくりと頷いた。
「お兄様の言うとおり、変かもしれませんわ。それでも何でも、わたくしは、どんな条件の良い殿方よりも、あなたがいいの! わたくしにとって、憂杏以上の殿方なんて、いないのよ!!」
最早周りの人間など、見えていない。
皇太子も、じっと二人の様子を見守った。
「お姫さんの気持ちは嬉しいよ。でもな、それこそユウと違って、お姫さんは、まだ若いじゃねぇか。俺よりいい男なんて、世の中にはごまんといるんだぜ。その辺が、まだわかってねぇだろう?」
「馬鹿っ!!」
いきなりナスル姫が、憂杏の頬に平手をお見舞いした。
ぱしっと乾いた音がし、憂杏が驚いたような顔をする。
事の成り行きを見守っていた三人も、呆気に取られてナスル姫を見た。
「どんだけ自分に自信がないのよ! 歳の開きが、そんなに気になるの? 確かにわたくしなんて、憂杏から見たらお子様かもしれないけど、立場的に、それこそそれなりの殿方とも、お会いしてきましたのよ! その最たるかたが、葵王様なんじゃない! 世の乙女の理想を具現化したような葵王様と、れっきとしたお見合いをしにきたにも関わらず、わたくしはあなたに惹かれたのよ! それがどういうことか、わかってるの?」
「・・・・・・お前の趣味が、変だったってことだな」
前方から夕星が、ぼそりと呟いた。
ナスル姫は、涙の溜まった瞳でじろりと夕星を睨んだが、意外にもこくりと頷いた。
「お兄様の言うとおり、変かもしれませんわ。それでも何でも、わたくしは、どんな条件の良い殿方よりも、あなたがいいの! わたくしにとって、憂杏以上の殿方なんて、いないのよ!!」


