「でもさ、一時的とはいえ、一緒にいるわけでしょ? 守ってくれるわけだし、別にナスル姫様でなくても、そんな状況だったら、恋に落ちても不思議じゃなくない? ましてナスル姫様は、大好きな憂杏といられるんだもの。ますます惹かれてしまうのは、考えられないことじゃないでしょ? 最終的には引き離す予定なんだったら、そんな酷いこと、するかしら。皇太子様は、そんな人じゃないでしょ?」
「そうだが。う~む、兄上が憂杏を最終的にどう評価したのか、わからんからな」
眉間に皺を刻んで、夕星は唸るように言う。
しばらくナスル姫と憂杏を見つめていた葵が、ふと立ち上がった。
「僕が聞いておきましょうか」
そう言って、内宮のほうへと歩いていった。
「ところで朱夏」
ぼんやりと葵の後ろ姿を見送っていた朱夏に、夕星が声をかけた。
朱夏が振り向くと、夕星は、にやりと口角を上げる。
「朱夏でも、守られたら恋に落ちるのか。そういう物語のようなことには、興味はないと思っていたが、やっぱりロマンチックなことにも惹かれるのか?」
何だかんだいっても女の子だねぇ、とからかう夕星に、朱夏は少し赤くなって唇を尖らせた。
「そんな簡単に、好きにはならないもん。大体あたしを守れるような人なんて、そういないし。大抵の兵士は、あたしより弱いもの」
ぷん、とそっぽを向く朱夏に、憂杏に引っ付いていたナスル姫が、笑顔を向けた。
「朱夏は強いものね。そういえば、兵士の稽古は一度しか見たことないけど、上官みたいな人にも勝ってたものね。格好良かったわぁ」
「そうだが。う~む、兄上が憂杏を最終的にどう評価したのか、わからんからな」
眉間に皺を刻んで、夕星は唸るように言う。
しばらくナスル姫と憂杏を見つめていた葵が、ふと立ち上がった。
「僕が聞いておきましょうか」
そう言って、内宮のほうへと歩いていった。
「ところで朱夏」
ぼんやりと葵の後ろ姿を見送っていた朱夏に、夕星が声をかけた。
朱夏が振り向くと、夕星は、にやりと口角を上げる。
「朱夏でも、守られたら恋に落ちるのか。そういう物語のようなことには、興味はないと思っていたが、やっぱりロマンチックなことにも惹かれるのか?」
何だかんだいっても女の子だねぇ、とからかう夕星に、朱夏は少し赤くなって唇を尖らせた。
「そんな簡単に、好きにはならないもん。大体あたしを守れるような人なんて、そういないし。大抵の兵士は、あたしより弱いもの」
ぷん、とそっぽを向く朱夏に、憂杏に引っ付いていたナスル姫が、笑顔を向けた。
「朱夏は強いものね。そういえば、兵士の稽古は一度しか見たことないけど、上官みたいな人にも勝ってたものね。格好良かったわぁ」


