「夕べ、考えてるって言ったろ。確かに朱夏を一人だけククルカンまで連れて行くのは可哀相だしな。炎駒殿も寂しいだろうし、あんまりアリンダの近くじゃないほうがいいだろう。宰相の地位は・・・・・・別に、退いてもいいさ」
「そ、そんな! 折角皇太子様が頼りにしてくださってるのに、簡単に退いちゃ駄目だよ! あたし、別にユウの足引っ張るつもりは、ないんだから」
慌てて朱夏は、夕星の袖を掴んだ。
アルファルドの近くに留まれるのは嬉しいのだが、大事なお役目を放り出させてまで、自分の我が儘を通すつもりはない。
「気にすんなよ。俺としては、一石二鳥だ。宰相の地位なんて、堅苦しくて、好きじゃない。宰相を退くことで、俺は自由になれるし、朱夏も故郷と、そう離れなくて良くなるなら、それに越したことはない」
「あらでも。兄上が、簡単にお兄様を手放すとも思えませんわ。お兄様の近衛隊だって、アリンダ様の配下には、死んでも入らないでしょう。わたくしのことより、ご自分の心配をなさったら? お兄様のほうが、難しいですわよ」
つん、とナスル姫が反撃する。
夕星は苦笑いを浮かべ、少し不安そうな顔になった朱夏の頭に、ぽんと手を置いた。
「まぁ・・・・・・、一度はククルカンに行かねばならんけどな。朱夏を父上に紹介しないといかんし、婚儀はやはり、首都でないとな」
「あ、わたくしもよね。わ、楽しそうねぇ。次にククルカンに帰るときは、皆一緒ね。葵王様も、ククルカンに留学されるのですって? じゃ、葵王様も、そのときに行きましょうよ」
わくわくと、ナスル姫が葵に言う。
「そうですね。朱夏の婚儀となれば、炎駒殿も列席されるだろう。ああ、でもさすがに、炎駒殿は一緒には行けないか。長期間、僕も炎駒殿もいなくなったら、父上も困るだろう」
「そ、そんな! 折角皇太子様が頼りにしてくださってるのに、簡単に退いちゃ駄目だよ! あたし、別にユウの足引っ張るつもりは、ないんだから」
慌てて朱夏は、夕星の袖を掴んだ。
アルファルドの近くに留まれるのは嬉しいのだが、大事なお役目を放り出させてまで、自分の我が儘を通すつもりはない。
「気にすんなよ。俺としては、一石二鳥だ。宰相の地位なんて、堅苦しくて、好きじゃない。宰相を退くことで、俺は自由になれるし、朱夏も故郷と、そう離れなくて良くなるなら、それに越したことはない」
「あらでも。兄上が、簡単にお兄様を手放すとも思えませんわ。お兄様の近衛隊だって、アリンダ様の配下には、死んでも入らないでしょう。わたくしのことより、ご自分の心配をなさったら? お兄様のほうが、難しいですわよ」
つん、とナスル姫が反撃する。
夕星は苦笑いを浮かべ、少し不安そうな顔になった朱夏の頭に、ぽんと手を置いた。
「まぁ・・・・・・、一度はククルカンに行かねばならんけどな。朱夏を父上に紹介しないといかんし、婚儀はやはり、首都でないとな」
「あ、わたくしもよね。わ、楽しそうねぇ。次にククルカンに帰るときは、皆一緒ね。葵王様も、ククルカンに留学されるのですって? じゃ、葵王様も、そのときに行きましょうよ」
わくわくと、ナスル姫が葵に言う。
「そうですね。朱夏の婚儀となれば、炎駒殿も列席されるだろう。ああ、でもさすがに、炎駒殿は一緒には行けないか。長期間、僕も炎駒殿もいなくなったら、父上も困るだろう」


