「え、朱夏、あの事件の前に、すでに夕星殿に会ってたの?」
驚く葵に、朱夏は簡単に初めて夕星に会ったときのことや、星見の丘に行ったことなどを話した。
葵は泉で軽く手を洗い、納得したように呟いた。
「そうかぁ。だからあの夜、僕がナスル姫とのお見合いのことを口にしても、朱夏は大して驚かなかったんだね」
「あ、そうね。うん、あのときは、すでに知ってた。でも、それ聞いたのは、ユウからじゃないよ。憂杏から聞いたの」
葵が、何で? という目を向ける。
「昼間にね、ほら、稽古場で憂杏に会ったじゃない。あの後話してて、葵を想ってるなら、辛くなるから他に目を向けろって言われたの。桂枝に聞いたみたい」
「全く、憂杏には敵わないな。ふらふらしてるようで、恐ろしく情報通なんだから。敵に回したくないよね。見てくれからして、そうだけど」
あはは、と笑う葵に、朱夏も夕星も微妙な顔をする。
やはり憂杏に対する印象は、誰しも同じようだ。
「でもさ、憂杏も、何だかんだ言って朱夏を可愛がってるよね。そんなことまで心配してるなんて。朱夏のことより、自分のことは、全く頭にないのかなぁ」
ははは、と乾いた笑いを返しながら、朱夏は葵と夕星をちらちらと窺った。
ライチを口に放り込んでから、夕星は汚れた手を泉につける。
ちょっと考えるように、水面を見た。
「葵王はさぁ・・・・・・」
水面を見つめたまま、夕星が呟いた。
「結婚したいか?」
驚く葵に、朱夏は簡単に初めて夕星に会ったときのことや、星見の丘に行ったことなどを話した。
葵は泉で軽く手を洗い、納得したように呟いた。
「そうかぁ。だからあの夜、僕がナスル姫とのお見合いのことを口にしても、朱夏は大して驚かなかったんだね」
「あ、そうね。うん、あのときは、すでに知ってた。でも、それ聞いたのは、ユウからじゃないよ。憂杏から聞いたの」
葵が、何で? という目を向ける。
「昼間にね、ほら、稽古場で憂杏に会ったじゃない。あの後話してて、葵を想ってるなら、辛くなるから他に目を向けろって言われたの。桂枝に聞いたみたい」
「全く、憂杏には敵わないな。ふらふらしてるようで、恐ろしく情報通なんだから。敵に回したくないよね。見てくれからして、そうだけど」
あはは、と笑う葵に、朱夏も夕星も微妙な顔をする。
やはり憂杏に対する印象は、誰しも同じようだ。
「でもさ、憂杏も、何だかんだ言って朱夏を可愛がってるよね。そんなことまで心配してるなんて。朱夏のことより、自分のことは、全く頭にないのかなぁ」
ははは、と乾いた笑いを返しながら、朱夏は葵と夕星をちらちらと窺った。
ライチを口に放り込んでから、夕星は汚れた手を泉につける。
ちょっと考えるように、水面を見た。
「葵王はさぁ・・・・・・」
水面を見つめたまま、夕星が呟いた。
「結婚したいか?」


