楽園の炎

「・・・・・・わかりやすいよねぇ、朱夏は」

ぷぷぷ、と笑いを抑えられない様子の葵に、朱夏はぎろりと刺すような視線を向ける。
が、夕星に掴まれた腕を振り解くことはしない。

「素っ裸じゃ困るだろうが、そう思って、ちゃんと下は穿いておいたぞ」

前方からの低い声に、朱夏は、あはは、と曖昧に笑い返す。

「そそ、それはどうも、ありがとう。できれば上も、着ていて欲しかったけど」

「まだ濡れてるからな。それは嫌だ」

勇気を出して夕星を見れば、濡れた浅黒い肌が飛び込んでくる。
一度目が合ってしまえば、変に避けられない。
慣れなければ、と、朱夏は震えそうになる掴まれた腕に力を入れて、引き攣りながらも夕星に微笑んだ。

さらに勇気を出してしっかりと目を開け、正面から夕星を見る。
朱夏から受け取ったマンゴーにかぶりつく夕星に、少し気持ちが落ち着いた。

「そういえばさ、ほんと、初めて会ったときみたいね。あのときも、ユウは泉の中にいて、上がってからマンゴー食べたじゃない。ユウ、マンゴー知らなかったよね」

「そういえば、そうだったかね。いきなり現れたわりに、何か心に残る子だなぁと思ったが。何となく繋がりを残したくて、守り刀を渡したんだけどね。正解だったな」

そうだったんだ、と、朱夏は首にかけた短剣に手をやった。