日が落ちてから、朱夏は夕星と、再びナスル姫のお見舞いに向かった。
「ナスル姫様、お加減はいかが?」
部屋に入りながら声をかけた朱夏に、慌てた様子で侍女が駆け寄る。
朱夏の手には、ナスル姫の夕餉の盆が乗っているからだ。
「まぁまぁ。そのようなこと、わたくしどもがやりますのに」
「いいのいいの。どうせ姫様のところに来るんだったんだし」
侍女と言葉を交わしながら、朱夏は寝台の横のテーブルに、盆を置いた。
「まだ顔が赤いな。熱は?」
夕星が言いながら、寝台に腰掛け、ナスル姫の額に手を当てる。
「なかなか下がらないの。気候が違うからかしらね」
同じ男でも、気心の知れている夕星の前では、ナスル姫は大人しく寝転んだままだ。
「夕餉は? 食べられますか?」
器を手渡す朱夏に、ナスル姫は起き上がった。
そして、嬉しそうに微笑む。
「ありがとう。ふふっ、朱夏がお姉さんになってくれたら、こういうこと、普通になるのかしら」
寝台の上に座り、ナスル姫はにこにことスープを飲む。
朱夏は曖昧に微笑み返し、ふと枕元にある小さな瓶に気づいた。
「これは?」
瓶の中には、色とりどりの輝石が入って、光に翳すときらきら光る。
瓶自体も、香水の入れ物のように、可愛い形だ。
「ナスル姫様、お加減はいかが?」
部屋に入りながら声をかけた朱夏に、慌てた様子で侍女が駆け寄る。
朱夏の手には、ナスル姫の夕餉の盆が乗っているからだ。
「まぁまぁ。そのようなこと、わたくしどもがやりますのに」
「いいのいいの。どうせ姫様のところに来るんだったんだし」
侍女と言葉を交わしながら、朱夏は寝台の横のテーブルに、盆を置いた。
「まだ顔が赤いな。熱は?」
夕星が言いながら、寝台に腰掛け、ナスル姫の額に手を当てる。
「なかなか下がらないの。気候が違うからかしらね」
同じ男でも、気心の知れている夕星の前では、ナスル姫は大人しく寝転んだままだ。
「夕餉は? 食べられますか?」
器を手渡す朱夏に、ナスル姫は起き上がった。
そして、嬉しそうに微笑む。
「ありがとう。ふふっ、朱夏がお姉さんになってくれたら、こういうこと、普通になるのかしら」
寝台の上に座り、ナスル姫はにこにことスープを飲む。
朱夏は曖昧に微笑み返し、ふと枕元にある小さな瓶に気づいた。
「これは?」
瓶の中には、色とりどりの輝石が入って、光に翳すときらきら光る。
瓶自体も、香水の入れ物のように、可愛い形だ。