楽園の炎

「・・・・・・相変わらず、まるでおもちゃ箱ですわね。せめて宝石だけは、布にくるむとか、しておいてくれませんかね」

桂枝が、呆れたように呟いた。
朱夏はそのようなこと、聞き慣れたものなので、特に気にしないで箱を探り続け、やがて一本の細い銀の鎖を取り出した。

「ねぇ、これ、この剣につけられないかな?」

鎖と剣を合わせながら言う朱夏に、アルが剣をまじまじと見つめた。

「変わった剣ですね。綺麗ですけど、おもちゃを首飾りにするのですか?」

「おもちゃじゃないわよ。ちゃんとした、短剣よ。小さいし綺麗だから、装飾品として身につけられる。いいと思わない?」

嬉々として説明する朱夏に、桂枝は、頭痛がするように頭を抱える。

「珍しく興味を示した装飾品が、実用一点張りの短剣とは・・・・・・」

幼い頃から朱夏を見てきた桂枝としては、一向に娘らしくならない朱夏の性格が、嘆かわしくて仕方ない。
小さいときはやんちゃであっても、それなりに年頃になれば、自然と娘らしくなるものだと思って、他の侍女が口うるさく身なりや行動を注意する中、桂枝は特に何も言わず、朱夏を見守ってきた。
まさかそのまま大きくなるとは、自分の育て方が悪かったのかと思わずにはいられない。