「そんなものは、考えるものでもないわ。いい加減に、メイズ殿の呪縛から放たれるがよい。お前が不幸になったところで、メイズ殿が生き返るわけでもなし。何度も言うが、あの事件は、お前のせいではない。アリンダがどう思おうと、お前に罪はないのだ。お前は自分が宰相として、私の片腕となると、アリンダが反乱を起こすのではないかと危惧しているのだろう? 自分のせいで、国が乱れるのを、恐れているのだろう。だが、それもお前が本来の力を発揮すれば、簡単に抑え込めるはずなのだぞ。アリンダよりも、お前のほうが、よっぽど兵や民の心を掴んでおるからな。そういった者の心が、全てお前に向くのも、お前からしたらアリンダに申し訳ないと思うのかもしれんが、それこそアリンダに対する侮辱ではないかね? お前のほうが、魅力も力もあるのだから、それを申し訳なく思うのは、そういう能力のないアリンダを、馬鹿にしているようなものだ。アリンダがお前から奪えるのは、力なき者だけだ」
夕星が、拳を握りしめる。
ナスル姫が、そそくさと夕星から離れ、朱夏の隣に座った。
「昔ね、お兄様に懸想していた侍女を、アリンダ様が無理矢理辱めたの」
ぼそりとナスル姫が、朱夏に耳打ちする。
「あのかたは、そういうことを恥とも思わないの。お兄様は・・・・・・ちょっと女性恐怖症だったから、誰とも親密な仲になってたわけではないんだけど。いろんなかたから、想いを寄せられることが多かったのね。そういう女性たちを、アリンダ様は、片っ端から手込めにしていったのよ。貴族も関係なかったから、一時凄い問題になったの」
ぞく、と朱夏の背中に、怖気が走る。
何という、鬼畜のような兄なのだ。
夕星が、拳を握りしめる。
ナスル姫が、そそくさと夕星から離れ、朱夏の隣に座った。
「昔ね、お兄様に懸想していた侍女を、アリンダ様が無理矢理辱めたの」
ぼそりとナスル姫が、朱夏に耳打ちする。
「あのかたは、そういうことを恥とも思わないの。お兄様は・・・・・・ちょっと女性恐怖症だったから、誰とも親密な仲になってたわけではないんだけど。いろんなかたから、想いを寄せられることが多かったのね。そういう女性たちを、アリンダ様は、片っ端から手込めにしていったのよ。貴族も関係なかったから、一時凄い問題になったの」
ぞく、と朱夏の背中に、怖気が走る。
何という、鬼畜のような兄なのだ。


