「おそらくそなたは、夕星が初めて心惹かれた娘であろう。そなたを通して、命を粗末にするなどということが、どれほど罰当たりなことかを、思い知ったことだと思う」
そうであればいい、と思う。
俯いた朱夏に、皇太子は、ぱっと明るい顔になって、心持ち身を乗り出した。
「では、馴れ初めを聞かせてもらおうか。あの夕星と、どのように心を通わせ合ったのだ? 先程言っておった、星見の丘とは何だ? その短剣は、どういった経緯で、そなたに渡ったのだ?」
矢継ぎ早の質問に、ナスル姫も身を乗り出す。
こういうところは、やはり兄妹だと思わざるを得ない。
朱夏は泉で会ったことから始まり、市での再会、夜の散歩のことを語った。
あの夜のことは、迷った末、事実とは違うが大筋では裁判で皆に知れ渡っているので、あえて語らなかった。
朱夏が語るうちに、皇太子は頭を抱え、炎駒の眉間には皺が刻まれる。
考えてみれば、朱夏も夕星も、身分相応の行動ではない。
朱夏は内心、ひやひやした。
「あの馬鹿・・・・・・。本当に商人として、市に店まで構えておったのか。・・・・・・やりそうだと思ってしまうところが、また悲しいが。そもそもが、皇子のくせに裸で水浴びなど・・・・・・」
いや、落ちたのですよ、と小さくフォローを入れたが、皇太子の耳には届かない。
そうであればいい、と思う。
俯いた朱夏に、皇太子は、ぱっと明るい顔になって、心持ち身を乗り出した。
「では、馴れ初めを聞かせてもらおうか。あの夕星と、どのように心を通わせ合ったのだ? 先程言っておった、星見の丘とは何だ? その短剣は、どういった経緯で、そなたに渡ったのだ?」
矢継ぎ早の質問に、ナスル姫も身を乗り出す。
こういうところは、やはり兄妹だと思わざるを得ない。
朱夏は泉で会ったことから始まり、市での再会、夜の散歩のことを語った。
あの夜のことは、迷った末、事実とは違うが大筋では裁判で皆に知れ渡っているので、あえて語らなかった。
朱夏が語るうちに、皇太子は頭を抱え、炎駒の眉間には皺が刻まれる。
考えてみれば、朱夏も夕星も、身分相応の行動ではない。
朱夏は内心、ひやひやした。
「あの馬鹿・・・・・・。本当に商人として、市に店まで構えておったのか。・・・・・・やりそうだと思ってしまうところが、また悲しいが。そもそもが、皇子のくせに裸で水浴びなど・・・・・・」
いや、落ちたのですよ、と小さくフォローを入れたが、皇太子の耳には届かない。


