さっき、僕の前で
カナメちゃんが男子から
可愛いって言われたと言った。



何それ…
今までは見向きも
しなかったくせに。



可愛くなった
途端にそれだよ。



結局みんな
それなんだよ。



外見が1番で
誰も中身なんか
見やしない。



「………良かったじゃん。」



僕の何気ない一言が
カナメちゃんを傷付けた。



気付いた
ときには遅かった。



カナメちゃんは
泣きそうな顔をしながら

今日は帰ります、と
言って僕の前を去った。



何てカッコ悪いんだ…



悔しいけど、

今の僕に
カナメちゃんを

止めることも
追い掛ける勇気も

できなかった。





壱瑚side終わり