「お母さん!そんなことより、早く教えてよっ」 照れ隠しをするように、お母さんに言った。 「はいはい、お父さんに後で教えなくちゃ」 ウキウキしたように言うお母さん。 あたしは、お母さんに教えてもらいながら、作りはじめた。 「……なんで?!」 お母さんに教えてもらったのは、いいけど、作り終えたケーキは、しぼんでいて全然美味しそうに見えない。 「大丈夫、始めは誰もこんな感じだから」 お母さんが慰めてくれて、涙目になりながらも何個も何個も作り直した。