愛してるさえ、下手だった



あたしはそれでわかってしまった。

この人が、どれほど孤独なのか。
冷たい闇に閉ざされた世界でどれほど寂しい思いをしているのか。


その瞬間、急に周囲の音が鮮明に聞こえる。
さっきまで静かだったはずの世界が、音を取り戻す。

闇なんてもう怖くなかった。


「刹那。俺は殺し屋を辞める」

旭が震える唇ではっきりと言い切る。

「目の前のことだけを見て、生きていく」

刹那はもう何も言わなかった。
ゆっくりとあたしたちに背を向けてひらりと手を振る。

それは早く行けという合図だった。

ようやく彼の中に人間らしさを見た気がした。


あたしは旭に支えられながら進む。

胸の中に溢れる気持ちが止まらない。


あなたを、愛してる。