「ガキのくせに」

 生意気言いやがって──こんなクソガキ、殴ってやりたい。しかし、疲れて怒る気力もない。

 そうか、こいつはそのために俺たちを走り回らせたんだな。

「はーい。ごちそうさまでーす」

 健は食べ終えた弁当のケースを回収し持っていたビニール袋に詰めてバッグに放り込む。

 それを確認した匠は、健のバッグからクッキーを取り出し隼人たちに差し出した。

「それも匠の手作り~」

 へらへらと笑いながらお茶のペットボトルを差し出す。

「なんで、ここまでするんだ」

 隼人は透明の袋に入れられた人型のクッキーを眺めて匠を見上げた。

「鬼になってくださった方への賞品ですから」

 しれっと応える匠に唖然とした。