「はーい。終了で~す」

 迫り来る男たちの背後から明るい声が響き、モーゼの如く左右に人が別れていく。そこには、健と匠が立っていた。

「お、お前ら」

 震える手で指を差す隼人に匠は上品な笑みを見せた。

 そして周囲の男たちに振り向き、

「どなたの誘導が最も優秀でしたか?」

 匠の問いかけに男衆は数秒ほど考えて一人を示した。

「きゃっほぅ! 俺、いちばーん!」

 二十代後半と思われる青年が歓喜に両手を挙げた。鮮魚店の青年だ。サバイバルゲームをやっているだけあって、誘導には多少の自信があったようだ。