そんなこんなで数日が経った──この週の水曜日は祝日で、学園はもちろん休園である。そうとは知らない隼人たちは、匠の情報集めにいつもの三人と町中をうろついていた。

「いたぞ!」

「ん?」

 声が聞こえて隼人が右を向くと、男たちがこちらに全速力で向かって来ていた。その形相はすさまじく、何かに飢えた目をしている。

「なんだ!?」

 今まで感じた事の無い危険な空気に隼人たちは思わず駆け出す。

「待ちやがれ!」

「待つかぼけえー!」

 訳も解らずに迫り来る緊張感から遠ざかろうと、必死に足を動かした。人数的に見ても隼人たちと同じくらいだ。