隼人たちは匠の事を尋ねて回るが、問いかける全ての人間が「奴には近づくな」と言うだけで、その理由までは語ろうとはしない。

 ここまで来ると、むしろ気になって仕方がない。こうまで頑なに拒まれ、逃走されては余計に知りたくなるのが人というものだ。

「なんなんだよ。これじゃ、諦めたくても諦めらんねえ!」

 三人は「やっぱり諦めたいんじゃん」と呆れて肩をすくめる。

 さすがに、訊くやつ訊くやつ「止めておけ」と言われれば諦めたくもなる。だがしかし、それと同時に知りたい衝動もふつふつと湧き上がってくる。

 それは他の三人も同じようなものだが、隼人ほど知りたいとは思わなかった。