この学園は、第三土曜日は休日となっている。もちろん、匠たちは隼人の事を調べるために動き出した。

「鴨居 隼人だっけ? あいつ、どっか地方の元マルボウリーダーだ」

 匠の父である昭人は、料理の下準備をしながら調べた情報を息子に伝える。

「元暴走族のリーダー?」

 健が焼きそばを食べながら聞き返した。

「今は何を?」

 匠は親友の食べる様子を眺めつつ尋ねる。

「闇金の取り立て屋をしてるらしい」

 手渡された紙切れを受け取った匠は、書かれている文字を見つめて思案するように小さく唸った。

「どこかで見たね」

 この店名は駅の近くで目にした覚えがある。

「違法な取り立てを行っているようだ」

「なるほど」

 何かを含んだ笑みを浮かべた匠を、昭人も健も見ていない振りをした。