上品な物腰にすらりとした体型、その目元は確かに匠に似ている。むしろ、父親から少しでも遺伝子を受け継いでいるのかと疑問に思うほどだ。 「父さん」 「うん?」 「鴨居 隼人っていう男性を知っているかい」 匠はカウンターに腰を落とすと、おもむろに昭人に尋ねてみた。 「ああ? 知らねえなあ」 昭人はあごをさすりながら記憶を辿るが、聞き覚えのない名前だ。 「匠は何がいいかしら」 「特には無いよ」 母の問いかけに隣に座っている友達を一瞥する。健はすでに焼きそばを頬ばっていた。