逃げるようにその場をあとにした隼人たちは、立ち止まって荒い息を整える。

「どうするんだ?」

 チノパンを履いている男が隼人に尋ねた。それに隼人はしばらく悩んだあと、

「あいつのことを調べるぞ」

「まだやるのか?」

 パンツを骨盤あたりまで下げている男が眉間にしわを寄せる。

 ただ呼び出されただけなの彼は、特にこれといった私怨がある訳でもないのでこのまま終わっても構わなかった。

「当り前だ! このまま、舐められたままでたまるか」

 誰も舐めてはいないのだが、ここまで堂々とした逆恨みならばいっそ、清々しささえ感じさせる。