「父は元自衛官ということから、現在は自警団を取り仕切っています」

「んなっ!?」

 隼人は驚きで目を見開いた。

 おおよそ、こいつから自衛隊の親父にたどり着ける気がしなかったし、連想なんてもってのほかだ。
 どこぞの大富豪の息子とか言われた方が、いくらか理解出来るというものである。

 それほどに、この周防 匠という少年は、のほほんとしていて掴みどころがまるで見あたらない。

 高校生になっても中学のときのテンションが抜けない奴はいるが、こいつはむしろ何もかもが抜けきって、若者にあるまじき落ち着きようじゃないか。

 そんな奴にくっついているせいなのか、健て奴もなんかやべえ気がする。同じようにへらへらしているがこの状態で普通は怖がるもんだ。

 こいつの威光で自分も強くなった気でいるんじゃないだろうな。そうじゃないなら、馬鹿にしてもこれは馬鹿すぎる。