「親父さんは元気かい?」

「ええ。相変わらずです」

「左藤さんもハツラツだね」

 親しく会話を交わす三人に隼人たちは目を丸くした。こいつら警察と仲良しなのかよ。俺たちのことをチクるんじゃないだろうな。

 ふと警官がこちらを向き、職務質問されるかとビクつく。しかし、警官は隼人たちを一瞥しただけで少年二人に向き直った。

「こないだはありがとうって、親父さんに伝えといてくれよ」

「解りました」

 いや、だからさ、職務果たせよ警察。目を合わせておいて、なんの言葉も無しかよと隼人は呆れた。巡回の自転車がマウンテンバイクなのにもツッコミたい気分だ。