──四時限目も終り、二人は食堂に向かった。

 この学園の食堂はかなり充実している。「健やかな成長には栄養と美味しい食事」というコンセプトのもと、数人の栄養士が管理していた。

 広い食堂は白に統一され清潔感に満ち、ずらりと並べられた長机は壮観だ。耳の邪魔にならない程度の音量で流れているクラシックは心地よい。

 それに混じって、まれにロックやらが流れているのは気のせいだろう。

「お姉さ~ん。おまけして」

 健は甘えた声で、カウンターの向こうにいる五十代の女性に呼びかけた。どっかりした体格の女性は、無言でビーフカレーの横にエビフライを乗せる。