「店で売ってるなら直接、買った方がお店も助かるじゃない?」

「なるほど」

 匠はあごに指をあてて少し考えた。

 まあ、隼人という人物の怒りは色々とあるのだろう──例えば、勝てると思っていた年下に五人がかりで負けた事とか。

 例えば、その少年は大した疲労も見せずに立ち去っていった事とか。

 カツアゲという時点でどう転んでも健にはまるで非はないが、逆ギレとか逆恨みというものはこうやって生まれるものだ。