沈黙を破ったのは、翔太だった。 「こんなとこに居ても危険だ。移動すっぞ」 移動か…でも、傷が…歩けるかな? 「立てるか?」 「うん、てか立つよ」 「強がり。転べばいい」 「死ね」 あたしはグッと腰に力を入れ思いきり身体を起こした。 「……あんま痛くない!」 「あっそ。早く立て」 くっ…なんて無愛想な…さっきまでのお前はどこだ! 「もう、立っちゃう!」 傷のことなんか忘れて、あたしは一気に立った。 ズキッ…! 「ぅ…」 やっぱダメか…