ペンションの宿泊客は大広間で思い思いの時間を過ごしていた―――



奈央子さんは、島岡さんと何やら話をしている。
きっと、星斗君の事について・・・
奈央子さんの腫れた目が痛々しい。




この天候だと、私達は何も出来なかった―――


大倉さんと塚原さんは不安そうな顔をして、ソファーに座っている。



大広間には重い空気が漂う―――



「昨日…あれから展望台を登ってみたんだ。でも、星斗君はいなかったよ。」


金田さんが話始めた・・・


「そうなんですか…。これからどうすればいいんですかね?」

私は窓からの景色を見ながら、金田さんに尋ねる。



「何の手掛かりもないし、この天気じゃ…。外は物凄い風と雨だよ。とりあえず…夕方ぐらいには天気が回復するそうだから、それから島中を探そう。」


「何か…出来る事ないですかね?このまま何もしないなんて…」



私は、このまま何もしないのが嫌だった―――

星斗君や奈央子さん、健一郎さんを助けたいの力になりたいって思った―――