“もしかしたら、敬太に会えるのかもしれない”

少しの期待を胸に、私は部屋を飛び出す。

走って敬太の家へと向かった。


2回電車を乗り換え、
敬太の家の最寄り駅に着いた。

駅前のデザイナーズマンション。

灰色の建物で、6階建て。

誰でも住みたくなるような、オシャレなマンション。

立地条件も、駅から徒歩1分と素晴らしい。



***



マンションに着いた私は、エレベーターで5階まで上がる。

エレベーターを降りて、右に進んだ、一番奥が敬太の家の505号室らしい。



“505…505… ここだ…”


敬太の家の外灯は点いていた。


インターホンを押そうとする手が震える。


ピンポーン

私は緊張した面持ちでインターホンを押す。


ガチャ…


しばらくするとドアが開く…。


「敬━━━…」