「…それを言うのは俺のほうだ」


明がちょっと微笑んで言う。


「いつもいつも、早和に助けてもらってる。…ありがとう」


明は多くは言わない。

だから、私は自分がどうやって明を助けているかなんてわからない。

でも、少しでも明の力になってあげられてるのなら…


「うれしい」


誰かの力になれてるって、すごく嬉しい事なんだね。

それが好きな人ならなおさら。

明の手がふわりと私の頭に降ってきた。

そのまま優しくなでてくれる。

昔からずっと変わらないぬくもりで。


「なんか、また眠くなってきちゃった…」


明がくすっと笑う。


「だったらおやすみ。ずっとそばにいてやるから」

「ほんとう?」

「本当」


明はうそつかないもんね?

私はくすっと笑って目を閉じた。