顔を上げた所で関谷の表情は見えない。あたしの視界は関谷の肩と玄関のドアと下駄箱の上の青い猫型ロボットの人形だけ。 「何に」 何かしたか、と自分に聞けば随分前の暴言が蘇る位動揺してる。 「渋滞にかかるし、仕事には呼び出される。ついでに俺は今日一日コーヒーしか胃に入れてない」 「……それ、あたしが悪いんだっけ?」 首を傾げると、関谷が溜息をついた。 「おまえが悪いって言ってねーだろ」 「そうだけど」 だったら、誤解を与える言い方しないでよ。