隣の男はよく見える


「何見てんの?」


旭が私の手元を覗き込み



「旭・・・これ・・・。」


「ああ、それオレの幼稚園の時の写真?
可愛いだろ?」



旭は、気付いてない。




「旭・・・

この・・・


この隣に写ってる女の子・・・。」




「え?誰?」




旭は覚えてない。



でも・・・

私は今でも覚えてる。




ずっと・・・忘れなかった。




「私だよ。3才の私。」





旭が目を見開いた。



「マジで・・・さくら?」




お互いにそのあと言葉もなく



ただ見つめあった。