( @:SSS )



「幸せに、なってね。」


別れ際、泣きそうな顔で彼女は言った。
それはきっと彼女にとって、自分が僕の恋人として存在する時間で見せる、最後の優しさだったのだろう。

けれど、それが何だっていうんだ。
君なしで、どうやって僕が幸せになれる?
今まで2人で、幸せになろうとしていたんじゃないのか?

でもそんな表面的なことよりも、彼女の言葉が暗に示す意味に胸が痛む。


『幸せに、なってね。』


だって、そうだろう?
まるで他人事であり、投げやりにでもなったかのような、その言葉。

僕には君じゃなくて、
君には僕じゃない、別の誰かと。

要するに、君にはもうこれっぽっちだって、僕と幸せになる気は無いのだ。





  残酷な優しさ


 ( その優しさはただ、 )
 ( 僕の心を壊すだけ )