どどど、どどど、どどどどど~♪

 大きく、大きく、不気味な足音が聞こえる。

 白い雲の中に、一筋灰色の雲が入ったように思える。

「ルナ、ルナ。」
「シオン。」

「外を見て。」

 病院のまわりにたくさんの人や動物が。

 すべて、黒い点のように見える。

 一体なぜ?

「ドードレッシの軍か?」
「そうだなシオン。
 ルナを絶対守る。チョッピー、今すぐ王様に助けを求めろ。」

「分かったちょ。リッセーロ。」

 チョンッピーはものすごいスピードで飛び立つ。

 水色の筋のように見える。

 この筋は希望の光のように見える。

 ルミナミエは、もうすがるしかない。

「チョッピー。」

 その声は届くはずはない。