「ふーん、まあいいや。おまえら、寄ってたかって瑞希を虐めてくれたんだってな？ 瑞希に謝ってもらおうか？」

そう言うと、達也は自分の後ろに隠れるようにしていた瑞希の手を優しく引き、達也の横に立たせた。

すると、達也の横で俯く瑞希を、４人の女子は憎々しげな目で睨んだ。

「さあ？」

達也に促されると、４人の内の一人が瑞希に向かって「ごめんなさい」と言った。
後の３人もそれに続いて「ごめんなさい」と言った。

しかし、口では謝罪の言葉を吐きながらも、嫌な物でも見るような目付きで瑞希を見るのは変わらなかった。つまり、全く反省の色はない。

それに達也がイラッとしていると、４人の一人が達也に話し掛けてきた。顔には、一転して愛想笑いを浮かべながら。