不器用な僕たち


向けられたままの涼ちゃんの背中を見て、私はギリギリのところで信じようとする。


きっと、なにかドラマの仕事でも入ったんだ。

私を相手役に見立てて、練習しているんだ。

涼ちゃん……タチ悪いよ。

あんな記事が出たあとで、こういうことするなんて。


「……もう……、涼ちゃんってば……」


けれど、フフッと笑いをこぼす私の声には力が入っていない。

同時に、瞳を閉じた瞬間、涙が止め処なくあふれた。


私に背を向けていた涼ちゃんが、ゆっくりとこちらを振り返る。

笑みさえも浮かべていたその顔。

それは「冗談だよ」と言っているのではなく、まるで私を嘲笑っているかのように見えた。


「……最初は新鮮でいいなって思ってたけどさ、価値観ズレ過ぎだし」


フッと鼻で笑う涼ちゃん。

この笑い方、言い方。雅人が私をバカにした時と全く同じだ。