「……っはぁ…」



やっと唇が解放された時にはお互いに息が上がっていて。



戸田さんの綺麗な瞳にジッと見つめられていた。



「……戸田さん…」



「……好きだよ、水樹。」



戸田さんは包み込むようにあたしを抱き締める。



その心地好さに、ここがエレベーターの中だということですら忘れそうになる。



――ポーン



機械音と共にエレベーターが23階に到着した。



「…行こっか」



戸田さんは優しくあたしの左手を自分の手と絡めた。



「……うん…」



あたしは恥ずかしながらも、その手をギュッと握った。



それに気付いた戸田さんは、優しく微笑むとあたしの手を強く握り返してくれた。



「あ、じゃあ、あたしの部屋ここだから…」



エレベーターを降りて、ちょっと歩いた所にあたしの部屋はある。


戸田さんは手を離すと、あたしのおでこにキスをした。



「おやすみ、水樹」



至近距離で囁かれて心臓がヤバイくらいうるさくなった。



「うん…おやすみ、戸田さん。」



お互いに微笑み合うと、手を振って別れた。



――戸田さん、大好き。



あたし、もうおかしくなりそうだよ…?