「水樹!!無茶をするな!!」



司令官があたしを止める。



無茶をするな……?



「無茶でもしなきゃあ…助かるもんも助からないよ」



あたしは振り向かずに言うと、右腕を押さえながら犯人に向かって歩き出した。



「お、おい!!何をほざいてやがる!!」



最後に1人残った犯人があたしに銃口を向けてきた。



「何?撃てるもんなら撃ってみなよ」



あたしはフッと嘲笑うと足を進めた。



犯人は“うっ'と手間取った。



「……あたしはあんたを殺さないよ?なんでか分かる?」



コツコツ、と歩き続けるあたし。出血でちょっと足元がふらつくけど…



「あんたを今殺したって何の意味もないからだよ」



「は……?」



「あんたを殺したとこでなんの解決にもならないから」



あたしは右腕を押さえていた左手を離すと、左手で銃を持った。
あたしの利き手は右なんだけど…今は仕方がない。



そして銃の引き金を引くと、犯人に銃口を向けた。