「うわーっ!!!!!」



「!?」



あたしは後ろから聞こえた罵声に咄嗟に振り向いた。



最初に倒した男が起き上がり、あたしに向かって突進してきたのだ。



あたしは素早く反撃の準備をした。



――その時。



「いっ…いってぇぇ!!」



男はいきなり痛がり出した。



「戸田さん!!」



そこには戸田さんがいて、男の手を後ろにねじって固定していた。


「人の女に気安く触ろうとしてんじゃねーよ」



戸田さんは男の手を離し、胸ぐらを掴むと頬を殴った。



男は勢い良くその場に倒れた。



「行くぞ、水樹」



戸田さんはあたしの手を引っ張り、水族館の外に出た。



「ったく、遅いから心配して行ってみたらあれだからな(笑)」



「アハハ〜♪(笑)ごめんねー!!だって女の子が1人ナンパされてたからさー!!あの子、あのままじゃ絶対危なかったもん!!」



戸田さんはあたしの頭にポン、と手を置いた。



「まぁ、そういう所も水樹らしいだけどさ。お前だって女なんだからあんま無茶はすんなよ?」



戸田さんはあたしの頭を撫でながら言った。



あたしは仕方なく



「分かったよ〜」



と返した。



あたしを心配してくれたんだよね?



すごく嬉しいよ。



――でもこの時、あたしはまだ



この先に待っている試練に気付かずにいた――…