あたしは苛立ちを覚えながらもオフィスに向かった。



――ガチャッ!!



「あ、水樹。お父さんなら奥に見えてるぞ」



桐島ちゃんが教えてくれた。



「ありがとー桐島ちゃん!!」



あたしはお礼を言うと接客室に向かった。



そして勢い良く接客室のドアを開ける。



「久しぶりだな、水樹。」



「親父……」



そこには、数年前と変わらない



あたしの大嫌いな人物がソファに座り、出されたであろうお茶を飲んでいた。



「何の用?ていうか、いちいち仕事場まで押し掛けてこないでよ。あたしは忙しいんだよ」



あたしは親父に冷たい視線と低い声を浴びせた。



あ〜ウザイ…
さっさと帰らないかな…



今更、父親ヅラされても困る。
今まで、仕事ばかりであたしをかまおうともしなかったくせに。



ホント調子いいっつーの…