「ありがと美姫っ!!あたし、なんとなく分かったような気がする!!」



「ふっ、それは良かったわ。じゃあそろそろ行きましょうか」



美姫は椅子から降りた。



そして、あたしと美姫は一緒にお金を出した。



「ありがとうございました。」



バーテンダーに見送られながら、あたし達は店を後にした。



「じゃあ、あたしはこれから優輝が迎えに来るから」



「わ〜っ!!ラブラブー!!!!」



冷やかすように言うと、美姫はバシッとあたしの背中を叩いた。



「――美姫!!」



振り返ると、そこには私服姿の桐島ちゃんがいた。



「こんばんわ〜♪桐島ちゃん!!」



「あれ?水樹?なんで…」



「今まで一緒に飲んでたのよ。それで今が帰り。」



「あ、そーいうことか。水樹、1人で大丈夫なのか?」



桐島ちゃんがあたしを見た。



「だーいじょうぶに決まってんじゃんっ♪夫婦水入らずな時間を過ごしてね〜♪♪」



「ちょっ!!水樹!?夫婦って…」



「ばいばーい♪」



あたしは2人に背を向けると、歩き出した。



今日は電車で帰ろう♪



あたしは駅に向かって歩く。



――しばらく歩いて、暗い道に入った。



うわっ。
物騒だなー…。
なんか出てきそう(笑)



そう思った矢先。



「――…きゃっ…」



―――ドサッ!!



いきなり何者かに腕を捕まれて、コンクリートの上に倒れた。



「なっ…何!?」



あたしは勢い良く前を見た。



「――…ハァ、ハァ…やっぱり美しい…二宮…さん…」



目の前には見るからにオタクってカンジの、キモい男があたしに馬乗りになっていた。



「アッ…アンタ誰!?」



「誰なんて酷いなぁ…僕は君の恋人だよ」



はぁ!?
何言ってんのコイツ…



あたしは顔をしかめた。