「……大丈夫…?傷。痛い?」



あたしは戸田さんの手に自分の手を重ね合わせた。



「……まだ少し…痛むかな。大したこと…ねぇよ」



嘘つき。



大したことなかったら、こんな話し方にならないじゃん。



あたしに余計な心配かけたくないから…なのかな。



「水樹は…安心して…仕事しろよ」


戸田さんはあたしの手を優しく握った。



「うん…。戸田さんも早く治してね。戸田さんがいないと寂しい」


「……あぁ…なるべく早く…治すよ」



あたし達は笑い合った。



「じゃあ、あたし署に戻るね♪」



「……あぁ。また…な」



「ばいばい♪また来るから!!」



――パタン。



病室の扉は閉じられた。







戸田さんのように、怪我をする人がまた…この先増えてくのかな。


日本は……意外に物騒だ。



SPになれば、今よりもっと早く現場に駆け付けられる?



もっと沢山の人達を



助けられる?









だったらあたしは…